金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年11月09日

播種性血管内凝固症候群(DIC):基礎疾患ごとのTAT&PICの変動(図解12)

DIC12

 

上図は、DICの代表的な4つの基礎疾患において、凝固活性化マーカーTATと、線溶活性化マーカーPICの変動を見たものです。

DICの代表的基礎疾患は、急性前骨髄球性白血病(APL:M3)急性白血病(APLを除く)、固形癌敗血症です。TATとPICの成績は透かし図になっていますので、イメージとしてご理解いただけるのではないかと思います。

まず、凝固活性化マーカーTATですが、全4基礎疾患において明らかな上昇がみられています。DICの本態は全身性持続性の著しい凝固活性化状態ですので、TATは必ず上昇している必要があります。言い方を変えますと、TATが正常であればそれはDICではありません。

次に、線溶活性化マーカーPICですが、APLでは10μg/ml程度と上昇しており著しい線溶活性化が見られているのに対しまして、敗血症では健常人をわずかに上回る程度の上昇に留まっています(2〜3μg/ml程度までの上昇)。つまり、敗血症に合併したDICでの線溶活性化は軽微です。APL以外の急性白血病や固形癌は、APLと敗血症との中間的な線溶活性化です。

このように、DICにおける著しい凝固活性化は共通した病態ですが、線溶活性化の程度は基礎疾患によって大きく異なっています。この、線溶活性化の程度が異なることはDICの病態を左右する大きな要素の一つになっているのです。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:01| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)

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