金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2008年11月21日

【金沢大学血液内科進級試験過去問題解説】兼:医師国家試験・専門医試験対策


金沢大学血液内科進級試験過去問題


(設問)(一部改変)
播種性血管内凝固症候群(DIC)の検査所見に関する記載として正しいものはどれか。
a.    PT、APTT、フィブリノゲンともに正常であれば、DICを否定できる。
b.    敗血症に合併したDICでは、血中プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)活性が著増する。
c.    線溶亢進型DICでは、血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が正常である。
d.    急性前骨髄球性白血病に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)が著増する。
e. 線溶亢進型DICでは臓器症状がみられやすい。


(ポイント)
a.    PT、APTT、フィブリノゲンともに正常であっても、DICを否定できない。特に、FDP、Dダイマー、血小板数、TATなどはDIC診断上、最重要である。
b.    敗血症に合併したDICでは、LPSや炎症性サイトカインの作用により、血管内皮からPAIが過剰産生される。
c.    どのようなタイプのDICであっても、血中TATは必ず上昇する。トロンビンの過剰産生(著明な凝固活性化)は、DICの本態である。
d. 急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)が著増ではなく著減する。
e. 線溶亢進型DICでは、出血症状はみられやすいが、臓器症状はみられにくい。多発した微小血栓が溶解されるため、微小循環障害に起因した臓器障害をきたしにくいのである。

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(答)b
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:00| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0) | トラックバック(0)

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