2008年12月22日
播種性血管内凝固症候群(DIC):FDPとDダイマー(D-dimet)(図解25)
DICは、極めて予後不良の症候群です。
臨床症状(出血症状、臓器症状)が出現してから対処していたのでは手遅れです。
臨床症状が出現する前に、血液検査で診断して治療を開始することがとても重要です。
DIC診断に重要な血液検査にはいくつかありますが、最も重要な検査項目は、血小板数と、FDP(Dダイマー) ではないでしょうか。FDPとDダイマーの違いにつきましてはまた記事にさせていただきますが、今回はFDPは何の略であるかを紹介させていただきます。
FDPは、あまりにも有名なマーカーですので、知らない人はいないと思いますが、一体FDPは何の略ですか?と聞かれたら、間髪を入れずに答えられる方は何割おられるでしょうか。その位、FDPという省略語は有名になっています。
FDPと言うのは、fibrin/fibrinogen degradation productsの頭文字を取って、FDPです。
ですから、fibrin degradation products(フィブリン分解産物)もFDPですし、fibrinogen degradation products(フィブリノゲン分解産物)もFDPです。
つまり、FDPが高値というのは、フィブリンまたはフィブリノゲンの分解が進行したことを意味します。この究極的な病態がDICということになるます。
追伸:
かくも重要なFDP、Dダイマーですが、弱点(限界)も知った上での使用が大事と思います。限界を知る事で、これらのマーカーを最大限に活用できるものと思っています。
(続く)
以下で、DIC関連記事とリンクしています。
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播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】へ(シリーズ進行中)
DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:25| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0) | トラックバック(0)