臨床検査専門医認定試験の受験経験(実技試験)
実技検査(2日目の午前&午後に行われます)
1. 検尿沈渣:変形赤血球、白血球、各種円柱、各種結晶、病原虫など25題(PCに入っている画像を見て解答を記載する)。勉強してあれば極めて簡単ですが、勉強してないと解けないと思います。
2. 簡易血糖測定装置での血糖測定 2検体、試験管は何を使うか(NaFです)、簡易血糖測定装置の測定原理を数行で記載。セミナーで一見重要そうには見えない(?)プリントを1枚もらいます。それを勉強してないと白紙解答になってしまうと思います。
3. 精度管理:X-R管理図の解釈。トレンド、シフトなどの用語を知っている必要あり。どういう時にそうなるかも。これも、セミナーで一見重要そうには見えないプリント数枚セットをもらいます。それを勉強してないと白紙解答になってしまうと思います。
4. LDHアイソザイムの判読:肝炎、心筋梗塞、悪性リンパ腫など。推測ですが、年によって、アミラーゼ、CPK、ALPなどシャッフルするのだと思います。セミナーでもらう問題集をしておけば大丈夫です。
5. 面接:機種、技師数、検体数、検査部の経営がよくなるにはどうすれば良いか、どういう人に技師長になって欲しいか、なぜ専門医試験に受けにきたのかなどを質問されました。
6. 骨髄像:MM、ALL、巨赤芽球性貧血、APLの4題。病名のみでなく、所見や、他に必要な検査なども記載。
7. 血栓止血:sugar water試験の写真を見せてこの病気で見られる凝固異常は何か、末梢血ストリッヒの血小板を判読させる問題、血小板凝集能カーブを見せて何の検査ですか、凝固活性化/線溶活性化検査を言いなさいなど。
8. 血液検査管理:自分の病院で使用している血算機器の名称を述べよ、精度管理の方法、数個のデータみせて血算のパニック値を発見させる質問、SI表示はどれか、血算の再検はどういう時にしているか(XE-2100ではFragが立つ)、外部精度管理は何に参加しているか(大きいのは、日本医師会と日臨技です)。
9. 採血をモデルの前腕でさせる。ラベルの貼り方(字が隠れる貼り方は不可;つまり縦張りにします)、血算・凝固・生化学の採血管をあてさせる問題、採血試験管順、針の捨て方など。
10. 血液型判定、表と裏が一致しない結果になりました、なぜか(B型亜型など)、交差適合試験(生食法とブロメリン法)、なお交差適合試験は生食法とブロメリン法で違う結果になりました、なぜか?不規則抗体のパネルを判読させる問題。
11. 抗核抗体で、Homogeneous pattern、Peripheral pattern、Centromere pattern、のカラー写真を見せて何パターン答えさせる問題。Peripheral patternは、Homogeneous patternに見えましたが、プロが見れば典型的なPeripheral patternなのだそうです。M蛋白の免疫固定法の写真を判読させる問題。IgE-λでした。
12. グラム染色:セミナーで習った方法と、エタノール脱色の方法が違っていてとまどいました。
13. 黄色ブドウ球菌、緑膿菌の感受性試験はどの抗生剤のセットを用いれば良いか?臨床検査専門医会のHPの問題集と同じ問題でした。ディスク法の阻止円の成績を示して、感受性かどうかをあてさせる問題。各抗生剤のSは何mm以上かなどは覚えなくても試験用紙に書かれていました。カラー写真を見せて、菌名をあてさせる問題が10問位(クリプトコッカス、HIVでトキソプラズマ脳症の人のトキソプラズマ、サイトメガロ感染症の病理、β溶血の写真、淋菌のグラム染色、など。検体の患者背景も簡単に記載されていました)。セミナーのカラー資料を制覇しておけば8割は解けますが、2割は分かりませんでした。
14. 扁平上皮の多い痰検体を鏡見させて主治医にどういえば良いか(Geckler分類1群でしたので、再度採痰させるが解答です)、菌名をあてさせる(グラム染色で最も分かりやすい肺炎球菌でした)、適切な培地をあてさせる(実際のシャーレ培地の実物が4つおかれていました。そこから2つ選択させる問題です。答えは羊血液寒天培地、チョコレート寒天培地でした。その他に、BTB培地、SS培地が置かれていました)。
1)臨床検査専門医試験の受験経験(序)
2)臨床検査専門医試験の受験経験(実技試験)
3)臨床検査専門医試験の受験経験(筆記試験)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:31| 専門医試験受験談 | コメント(0) | トラックバック(0)