2009年01月18日
医師不足の解消へ:女性医師の時代の足音(4)
シリーズ『女性医師の時代の足音が聞こえますか』の4回目の記事です。
1回目からご覧いただきますと記事がつながっていますので、よろしくお願いいたします。
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女性医師の時代の足音が聞こえますか (4)
このような取組みはまだ始まったばかりだという印象ですが、実際に各地域や医療機関で具体的な対策に動きだしているところもあります。たとえば大阪厚生年金病院の院長は、前任の岡山大学小児科の教授時代から、女性医師に育児と仕事を両立をしてもらわなければ医師不足に陥ってしまう現実を経験されておられました。
小児科は皮膚科、眼科についで女性医師の割合が既に3割を超える診療科であるからです。そのため育児環境の整備に力を入れ、職員駐車場を育児中の職員優先にしたり、病棟を使用して院内に病児保育所を設置しました。
保育所はあっても病児保育を行う施設はまだ少なく、これが女性が安心して働けない大きな原因になっているからです。
これは女性医師だけでなく看護師にも恩恵が深く、この病院には勤務希望者が多く看護師・医師不足に陥らずに済んだそうです。
また医師には研修医やフェローなどが案外多く、正職員と全く同じ仕事をこなしていても臨時雇用の扱いをされることが多いものですが、この病院では正職員だけでなく臨時職員にも、また女性だけでなく男性にも産前産後の有休休暇を取れるよう勤務制度を整備したそうです。
これらに対して当初は女性医師を優遇しすぎるのではという意見もあったそうですが、
女性医師が十分な労働力を提供できる体制を整備する結果として、最終的には男性医師への負担が減ることを必ず実感してもらえる
と病院長は述べておいでました。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:52| 女性医師(当科)からのメッセージ | コメント(0) | トラックバック(0)