金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年03月09日

プロスタサイクリン(PGI2)&一酸化窒素(NO):血液凝固検査入門(8)

アンチトロンビン(ATIII):血液凝固検査入門(7)から続く。

血液凝固検査8
 

 

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血管内皮からは、PGI2(プロスタサイクリン)が産生されます。

PGI2は、血小板機能抑制作用および血管拡張作用を有しています。このどちらの作用によっても、抗血栓的に作用することになります。

PGI2は、血中半減期が短いためにこのままお薬にすることはできませんでしたが、PGI2誘導体(ベラプロストナトリウム:商品名は、プロサイリン、ドルナー)は半減期が長くなっており、現在お薬として使用されています。

PGI2誘導体であるプロサイリン、ドルナーは、抗血小板作用のみならず血管拡張作用があるために、閉塞性動脈硬化症の治療薬として頻用されています(プレタールも抗血小板作用のみならず血管拡張作用があり閉塞性動脈硬化症の治療に用いられています)。

一酸化窒素(nitric oxide:NO)も、PGI2と類似の作用を有しています。すなわち、血小板機能抑制作用および血管拡張作用を有しています。

このように、血管内皮には、トロンボモジュリン(thrombomodulin:TM)、アンチトロンビン(antithrombin:AT)、外因系経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)、PGI2、NOなどの抗血栓性物質が存在するのですが、どうもこのバリア機序はそんなに強力ではないようで、しばしば血栓症を発症してしまいます。

 (続く)


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:28| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)

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