2009年04月05日
心房細動と凝固活性化マーカー:血液凝固検査入門(33)
TAT・F1+2・SF・Dダイマー:血液凝固検査入門(32)から続く。
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心房細動(atrial fibrillation:Af)の症例では、凝固活性化状態(血小板活性化状態ではありません)にあり、Afは脳塞栓の重要な危険因子であることは良く知られています。
心房細動に対する抗血栓療法は、抗血小板療法(アスピリンなど)ではなく、抗凝固療法(ワルファリン、商品名ワーファリンなど)がスタンダードであるのも、上記の病態からうなづけます。
Afでは、確かに凝固活性化状態にあると言うことを綺麗に証明した報告があります。上図は、以前の報告ではありますが大変貴重な報告ではないかと思います。
Af症例では、洞調律症例と比較して、凝固活性化マーカーであるTAT、F1+2、FM(SFに類似したマーカー)、Dダイマーが有意に上昇していることがわかります。しかし、確かにAf症例では凝固活性化マーカーが上昇している例が目立ちますが、洞調律症例と差がない症例も多いことも強調しておきたいと思います。
上図で、TAT 20μg/Lというのは、ほとんど播種性血管内凝固症候群(DIC)レベルです。近日中に脳塞栓を発症するような危険な状態ではないかと思います。
ワーファリンコントロールは、PT(PT-INR)で行われていると思いますが、PT(PT-INR)では凝固活性化状態にあるのかどうか、ワーファリンで凝固活性化状態が是正されているかどうかは分かりません。PT(PT-INR)とともに、凝固活性化マーカーを同時にチェックすることで、より良いワーファリンコントロールができるものと考えられます。
(続く)
心房細動とF1+2(アスピリン vs. ワーファリン):血液凝固検査入門(34)
PT-INRは、以下の記事も御参照いただければと思います。
・PT(PT-INR)とは? 正常値、ワーファリン、ビタミンK欠乏症
・PT-INRとは(正常値、PTとの違い、ワーファリン)?
関連記事(リンクしています)
・ TAT
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・ PT(PT-INR)とは?
・ PT(ワーファリン)&トロンボテスト
・ APTT
・クロスミキシング試験
・ Dダイマー
・ DICの病態、診断、治療:リンク先から更に他のヘパリン類やDIC関連記事がリンクされています!
・NETセミナー:血栓症と抗血栓療法のモニタリング
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:30| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)