金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年04月23日

PT-INRのセルフモニタリング:血液凝固検査入門(39)

PT-INR、APTTと抗凝固療法:血液凝固検査入門(38)から続く。

血液凝固検査39
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糖尿病患者さん、特にインスリン治療中の場合には、しばしば自宅で自己血糖測定をなさっています。その結果をふまえて、治療に反映されます。

経口抗凝固療法の治療薬であるワルファリン(商品名:ワーファリン)を内服中の患者さんでは、PT-INR(プロトロンビン時間のINR)や、プロトロンビンフラグメント1+2(prothrombin fragment 1+2:F1+2)の定期的な測定が必要です。

INRは国際的に異論のないところですが、F1+2の扱いにおいては、専門家の間でも意見の分かれるところです。管理人たちは、INRと比較しても、F1+2は同等以上に価値がある検査と思っていますが(参考記事:PT-INR、APTTと抗凝固療法:血液凝固検査入門(38))、まだInternationalとはなっていません。

さて、InternationalであるINRですが、海外では既に自宅で測定している国もあるようです。そして、そのINRの結果をふまえて、治療に反映されるという訳です。

日本ではまだそのような医療環境にはなっていませんが、そんなに遠くない将来、ワーファリンは自宅での血液検査をみながらコントロールするというような時代がくるのではないかと思っています。
 

 

 
 
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:15| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)

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