市民公開講座:金沢大学 血栓止血研究室グループ紹介(1)
肺癌(肺がん):金沢大学 呼吸器研究室グループ紹介(3)から続く
金沢大学 血液内科・呼吸器内科(第三内科)の研究室紹介は、
1) 血液・移植研究グループ紹介
2) 呼吸器研究室グループ紹介
を既にブログ記事としてアップ終了いたしました。最後は、血栓止血研究室(血管診療グループ)です。
血栓止血学は、血液内科の範疇にはいる学問と考えられているかも知れませんが(確かにそのような要素もありますが)、本来は血液内科とは学問の性格が違うような気もしています。血栓止血学は、血液内科というよりも血管内科と言った方が、よりしっくりくるように感じています。
<血栓止血研究室>(1)
血栓止血研究室は、血栓止血学を臨床・研究テーマとしています。全身の血管を対象としますので多くの他領域とも関連が深いのが特徴です。
最近、深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓(PE)(DVT/PEのインデックスページ)に対する臨床各科の関心が高まっており、整形外科領域などの術後のDVT発症予防としてのフォンダパリヌクス(商品名:アリクストラ)や低分子ヘパリンであるエノキサパリン(商品名:クレキサン)の使用が保険収載されました。当院においても既に数多くの症例での処方がなされています。治療ではなく「予防」として保険適応となったという点では、まさに保険診療上における画期的なできごとではないかと思います。
また、遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(商品名:リコモジュリン)が2008年5月からDIC治療薬として発売されました。全例調査が必要なため、まだ全医療機関で処方することはできないのですが、DIC治療の新潮流と言えるのではないかと思います。
さて「日本血栓止血学会 市民公開講座 in 金沢」が、平成20年3月2日(日)13〜16時(於:金沢駅前の県立音楽堂)で開催されたことは、私たちの研究室にとっては極めて大きなできごとです。1,000人を超える市民の方に出席していただきました。アンケート調査では、市民公開講座の反響はすこぶる好評で、多くの方に毎年開催して欲しいというご意見をいただきました。ただし、この市民公開講座は全国持ち回りの会のため毎年開催できないのが残念です。
松田保名誉教授によって金沢大学に灯していただいた血栓止血学の火が、市民の皆様に広がっていったと言う意味でも、大変感慨深いものがあります。このブログをかりまして恩師の松田名誉教授および血栓止血学に深いご理解をいただいている中尾教授に感謝いたします。
なお、個人的には市民公開講座での鎌田實先生(諏訪中央病院名誉院長)のご講演に大変感銘いたしました。公開講座のあと鎌田先生のご著書を10冊以上購入して拝読しました。とても感銘する内容で、心が洗われる思いになりました。
血栓止血研究室の研究内容と直接関係無い紹介から書かせていただきすいません。次回は、具体的な研究内容に言及してまいります。
(続く)
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・抗血栓療法、抗血小板療法、抗凝固療法(アスピリン、ワーファリン)
・ヘパリン類 : フラグミン、クレキサン、オルガラン、アリクストラ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:43| 血栓止血(血管診療) | コメント(0)