血友病A:CBT試験問題対策(血栓止血領域)
血小板減少:CBT試験問題対策(血栓止血領域)から続く
今回もCBTに出題されたと思われる予想問題の記事です。
血友病Aについて正しいのはどれか。
A. PT延長
B. APTT正常
C. 出血時間延長
D. 男女比1:1
E. 関節内出血、筋肉内出血
【正誤の理由】
× A 血友病Aでは、PTは正常です。
× B 血友病Aでは、APTTは延長します。
× C 血友病Aでは、出血時間は正常です。
× D 血友病Aは、男性のみに発症します。
○ E 血友病Aでは、関節内出血、筋肉内出血などの深部出血が特徴です。
【確認事項】
血友病について
血液凝固検査入門(インデックスページ)
<概念>
先天性出血性素因の一つで、伴性劣性遺伝します。母方から遺伝しますが、発症するのは男性のみです(母親がキャリアー)。なお、孤発例(突然変異)も、約20%存在します。
<種類>
血友病には、 血友病A(第VIII因子 の欠損)と 血友病B(第IX因子の欠損)がありますが、臨床症状は全く同じです。 血友病Aの方が、血友病Bよりも多く、血友病A:B=5:1です。。
<症状>
最も特徴的なのは、関節内出血です。関節内出血を繰り返しますと、関節拘縮をきたすことがあります。筋肉内出血も多いです。 その他には、皮下出血、外傷時出血、歯肉出血、鼻出血、血尿などもあります。軽症例では、抜歯時の止血困難や、術前検査で偶然診断されることもあります。
<検査>
・ プロトロンビン時間(PT)、出血時間:正常
・ 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT):延長
・ 血友病Aでは第VIII因子活性の低下、血友病Bでは第IX因子活性の低下がみられます。
<治療>
血友病A :第VIII因子製剤
血友病B :第IX因子製剤
<治療の合併症>
血友病A(B)患者にとっては、第VIII(IX)因子は未知の蛋白ということになります。
血友病A(B)患者に治療目的に第VIII(IX)因子製剤を投与しますと、抗体(同種抗体)=第VIII(IX)因子インヒビターが形成されてしまうことがあります。 凝固因子製剤の薬効が消失してしまいますので厄介な合併症です。
【正答】 E
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:21| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)