金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年08月15日

血友病A:CBT試験問題対策(血栓止血領域)

血小板減少:CBT試験問題対策(血栓止血領域)から続く

今回もCBTに出題されたと思われる予想問題の記事です。

血友病Aについて正しいのはどれか。

A.    PT延長
B.    APTT正常
C.    出血時間延長
D.    男女比1:1
E.    関節内出血、筋肉内出血


【正誤の理由】

× A 血友病Aでは、PTは正常です。
× B 血友病Aでは、APTTは延長します。
× C 血友病Aでは、出血時間は正常です。
× D 血友病Aは、男性のみに発症します。
○   E 血友病Aでは、関節内出血、筋肉内出血などの深部出血が特徴です。


【確認事項】

血友病について

血液凝固検査入門(インデックスページ)

<概念>

先天性出血性素因の一つで、伴性劣性遺伝します。母方から遺伝しますが、発症するのは男性のみです(母親がキャリアー)。なお、孤発例(突然変異)も、約20%存在します。

<種類>

血友病には、 血友病A(第VIII因子 の欠損)と 血友病B(第IX因子の欠損)がありますが、臨床症状は全く同じです。 血友病Aの方が、血友病Bよりも多く、血友病A:B=5:1です。。

<症状>

最も特徴的なのは、関節内出血です。関節内出血を繰り返しますと、関節拘縮をきたすことがあります。筋肉内出血も多いです。 その他には、皮下出血、外傷時出血、歯肉出血、鼻出血、血尿などもあります。軽症例では、抜歯時の止血困難や、術前検査で偶然診断されることもあります。

<検査>
・ プロトロンビン時間(PT)、出血時間:正常
・ 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT):延長
・ 血友病Aでは第VIII因子活性の低下、血友病Bでは第IX因子活性の低下がみられます。

<治療>
血友病A :第VIII因子製剤
血友病B :第IX因子製剤

<治療の合併症>
血友病A(B)患者にとっては、第VIII(IX)因子は未知の蛋白ということになります。

血友病A(B)患者に治療目的に第VIII(IX)因子製剤を投与しますと、抗体(同種抗体)=第VIII(IX)因子インヒビターが形成されてしまうことがあります。 凝固因子製剤の薬効が消失してしまいますので厄介な合併症です。


【正答】 E

 

(続く)

脾摘術:CBT試験問題対策(血液内科領域)



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:21| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

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