紫斑:CBT試験問題対策(血液内科領域)
脾摘術:CBT試験問題対策(血液内科領域)から続く
CBTに出題されたと思われる過去問からの記事を続けます。
4歳の女児。2週間前に感冒に罹患した。3日前から下肢に紫斑が出現し、口腔内に出血がみられた。血液所見:赤血球430万、白血球6,700、血小板1.2万。最も考えられるのはどれか。
A. アレルギー性紫斑病
B. 急性リンパ性白血病
C. 特発性血小板減少性紫斑病
D. 骨髄異形性症候群
E. 再生不良性貧血
【正誤の理由】
× A アレルギー性紫斑病は、Schoenlein-Henoch紫斑病ともいいます。しばしば上気道感染症が先行し、紫斑が下肢、臀部などに出現します。腹部症状、関節症状、腎障害を伴うこともあります。血小板数が低下することはありません。時に第XIII因子活性が低下することがあります。
× B 急性リンパ性白血病でも血小板数が低下することがありますが、本症例では赤血球数、白血球数に異常なく否定的です。
○ C 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のうち、小児ではウイルス感染症が先行する急性型ITPが多いのに対し、大人では慢性型ITPが多いのが特徴です。
× D 骨髄異形性症候群でも血小板数が低下することがありますが、本症例では赤血球数、白血球数に異常なく否定的です。
× E 再生不良性貧血では、血小板数低下のみならず、汎血球減少症の病態となります。
【確認事項】
血小板数低下をきたす疾患・病態
1) 血小板産生低下:再生不良性貧血、骨髄異形性症候群、急性白血病、巨赤芽球性貧血、発作性夜間血色素尿症など。
2) 血小板の破壊・消費の亢進:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、溶血性尿毒症症候群(HUS)など。
3) 血小板分布異常:脾機能亢進症(肝硬変、Banti症候群)など。
4) その他:偽性血小板減少症(EDTA採血管でまれにみられるartifact)など。
【正答】 C
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 03:37| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)