血小板数低下、PDW:金沢大学血液内科病棟実習試験より
先週に、金沢大学血液内科の病棟実習試験がありました。
今回紹介させていただく問題は、正答率87%でした。
管理人は、正答率85%くらになることを目標にいつも試験問題を作成していますので、ほぼ思惑とおりの問題になったと言えます。
血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか.1つ選べ
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(a) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)ではADAMTS 13活性が上昇する.
(b) 溶血性尿毒症症候群(HUS)でピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約5割の症例で血小板数を上昇させる.
(c) HELLP症候群の3徴候は,溶血,腎不全,血小板数低下である.
(d) 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては,血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)が上昇する.
(e) 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては,ワルファリンが有効である.
解説
(a) 典型的な血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、ADAMTS 13に対する自己抗体が出現して、ADAMTS 13活性が低下します。なお、溶血性尿毒症症候群(HUS)では、ADAMTS 13に対する自己抗体は出現いたしません。
(b) ピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約5割の症例で血小板数を上昇させる:これは、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)です。
(c) HELLP症候群の3徴候は、溶血(Hemolysis)、肝酵素上昇(Elevated Liver Enzyme)、血小板数低下(Low Platelet)です。
(d) 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては,血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)も平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)も上昇します。
(e) 抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性では、習慣性流産(不育症)が問題になることがあります。ワルファリンは、催奇形性の副作用があるため、挙児希望の女性には処方できません。
正答:(d)
凝固検査&DIC
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:03| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)