ビタミンK欠乏症:医師国家試験 問題対策
血友病とvon Willebrand病の比較:医師国家試験対策から続く。
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<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(11)
【後天性出血性疾患】
ビタミンK欠乏症【重要疾患】
参考記事:ビタミンK欠乏症の原因
1. ビタミンK依存性凝固因子:FVII、IX、X、II 【重要】の低下により出血傾向をきたす。
2. ビタミンK欠乏症の危険因子(どういう時になりやすいか)
1)食事摂取の少ない患者:ビタミンKの摂取も低下。
2)閉塞性黄疸:ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、胆汁がないと吸収されにくい。
3)広域抗生剤の投与:ビタミンKは腸内細菌が産生。抗生剤の投与により、腸内細菌が死滅する。
3. 新生児メレナ、乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)
4. PTの延長,遅れてAPTT延長.出血時間は正常【重要】
・なぜ、APTTよりもPTの方が早く延長するか???→回答:ビタミンK依存性凝固因子の覚え方
・PIVKA II の上昇 参考記事:凝固系検査
5. 治療
・ビタミンKの点滴静注で半日で改善(閉塞性黄疸がある場合には、経口投与では吸収されない)
・致命的な出血時は新鮮凍結血漿 (FFP)
・遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(商品名:ノボセブン)も有効
(補足)ワルファリンの過剰投与
・ワルファリンの過剰投与でも、ビタミンK欠乏による出血をきたす(ワルファリンの副作用)。
・プロトロンビン時間の高度の延長(PT-INRの高度上昇)でチェック可能【既出】。
・治療は、ビタミンKによる中和。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:43| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)