アレルギー性紫斑病:医師国家試験 問題対策
ビタミンK欠乏症:医師国家試験対策から続く。
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<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(12)
Schönlein-Henoch紫斑病 (アレルギー性紫斑病)【重要疾患】 【皮疹画像頻出】
1. 小児に多い(成人にもあり):
血管性出血性素因。毛細血管の透過性が亢進する。
皮膚出血斑(特に、下肢に左右対称性の紫斑)を中心とした出血傾向。
上気道感染が先行。
時に,腹部症状(腸重積、腹痛、下血など),関節痛,血尿、腎障害(IgA腎症に類似)を伴う。
2. 全身性の血管炎が本態。血管壁にIgAの沈着。
3. PT、APTT、出血時間、血小板数は正常。時に、第XIII因子が低下。
4. 腎障害がなければ、予後は良好。自然治癒も多い。
5. 画像をチェックしておいてください。この疾患が国試で出題される時は、必ず画像が添えられます。
単純性紫斑
・血管性出血性素因。
・若い女性に多い.
・良性疾患。全ての検査所見は正常。
・治療は必要ない。
老人性紫斑
・血管性出血性素因。老人性紫斑の関連記事へ。
・老人者の手背、前腕伸側などにみられる。
・良性疾患。全ての検査所見は正常。
・治療は必要ない。
肝障害(肝硬変など)
・凝固因子&血小板数の低下が原因で、出血傾向をきたす。
・PT&APTTは延長。
腎障害
・尿毒素 (guanidinosuccinic acid, phenlic acidなど)により、血小板機能が低下するため。
・出血時間は延長(PT&APTTは正常)
薬剤性(アスピリン)
・アスピリンはサイクロオキシゲナーゼをブロックする。そのため,血小板機能を抑制する。
・ 昔は、消炎鎮痛薬として頻用されたが、今は、抗血小板薬として用いられることが多い。
・ 出血時間は延長。PT&APTTは延長しない。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:09| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)