2010年05月15日
線溶関連マーカー(4):FDPのartifactなど
線溶関連マーカー(3):FDP採血管など より続く
線溶マーカーとは(4)
血液凝固検査入門(図解シリーズ)← リンク
線溶マーカー測定上の注意点
FDPやDダイマーは大変安定した検査であり、artifactを生じにくいです。
ただし、留置カテーテルなどからの採血は、カテーテル内凝固をきたして、PIC、FDP、Dダイマーが偽高値となる可能性があります。
また、血清FDPの場合には、試験管内に抗凝固剤が混入しますと(例えばヘパリンロックされたカテーテルからの採血など)、専用試験管内の凝固剤が作用しなくなり上清中にフィブリノゲンが残存してしまいます。この状態で抗フィブリノゲンポリクローナル抗体を用いた測定を行いますと、偽高値となります。
異常フィブリノゲン血症では、血漿FDP、Dダイマー、PICは正常として測定されます。
ただし、血清FDPで測定しますと偽高値となります。これは、フィブリノゲンのアミノ酸配列に異常をきたした本疾患では、採血管内の凝固剤(トロンビン)がフィブリノゲンをフィブリンに転換できず、上清中にフィブリノゲンが残存してしまいます。
この状態で、抗フィブリノゲンポリクローナル抗体を用いたFDP測定を行いますと、偽高値となります。
(続く)
線溶関連マーカー(5):FDP・Dダイマー・PICの高値 へ
【リンク】
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 12:47| 凝固検査 | コメント(0)