医学部CBT試験問題対策:タイプQ(4連問)3
医学部CBT試験問題対策:タイプQ(4連問)2 より続く。
4連問ですので、1問目からご覧いただきますと、ストーリーが続きます。
今回は、連問の第3問目です。第3問目では、検査と関連した問題が出される(検査と関連した問題を作成する)ことになっています。
68歳の女性。3日前から頻尿、排尿時痛の症状がみられたが放置していた。本日になり39.3℃の高熱がみられ、腰痛もみられるようになったため来院。血尿および紫斑がみられる。身体所見では、肋骨脊椎角部叩打痛が見られた。血液検査では、血小板数が著明に低下し、血液培養および尿培養で大腸菌が検出された。
血液検査でみられる所見はどれか。
A. 抗血小板抗体陽性
B. プロトロンビン時間(PT)短縮
C. フィブリン分解産物(FDP)上昇
D. アンチトロンビン(AT)活性上昇
E. 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)短縮
医学部CBT試験対策:血液内科(コアカリ)、凝固検査、DIC
回答:
C
解説:
急性腎盂腎炎から敗血症となり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併したものと考えられます。
正答・誤答の理由:
A × :抗血小板抗体は播種性血管内凝固症候群(DIC)と無関係です。
B × :プロトロンビン時間(PT)は延長することがあります。ただし、CBTレベルではないですが、PTは、肝不全やビタミンK欠乏症などの多くの他の要素で延長するため、DIC診断における重要性はかなり低いと、管理人らは考えています。
C ○ :フィブリン分解産物(FDP)やDダイマーの上昇は特徴的です。
D × :アンチトロンビン(AT)活性はしばしば低下します。ただし、CBTレベルではないですが、急性前骨髄球性白血病(APL)などDICを合併していても、AT活性が低下しないことも多く、DIC診断における重要性はかなり低いと、管理人らは考えています。
E × :活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は延長することがあります。ただし、CBTレベルではないですが、DIC初期にはかえって短縮することもあります(活性型凝固因子の存在のためか)。
【リンク】
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)