金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年07月05日

Ximelagatran(キシメラガトラン):抗トロンビン薬(5)

スロンノン、ノバスタンなど:抗トロンビン薬(4)より続く

 
  【キシメラガトラン

Ximelagatran(キシメラガトラン)は、melagatran(メラガトラン)のプロドラッグです。

キシメラガトランは、抗トロンビン薬として経口投与可能な薬物です。

キシメラガトランはメラガトランのプロドラッグであり、経口投与されると小腸より速やかに吸収され活性を有するメラガトランに変換されます。

本剤は経口投与後2〜3時間で血中濃度が最高値に達し、血中半減期は約3時間です。

本剤の薬物動態は極めて安定しており、患者の体重、年齢、性別、人種による差異はなく、他薬剤や食物との相互作用もありません。


急性深部静脈血栓症、非弁膜症性心房細動症例などにおける有用性が報告されてきました。

経口薬であることや、INRまたはトロンボテストによるモニタリングの必要性がないことのメリットはすこぶる大きかったのですが、肝障害の副作用のため開発が断念されたのは残念です。

 

(続く)

ダビガトラン:抗トロンビン薬(6)

 


【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:48| 抗凝固療法