CBT試験問題(こあかり):APTT延長
CBT試験(こあかり)の問題紹介と、解説&正答の記事を続けたいと思います。
前回の記事(CBT試験問題(こあかり):血小板数低下)と関連しています。
10歳の男児。
自転車で転倒して右肘を打ち、来院した。
右肘は内出血して肘関節が腫脹している。内出血が止まらないことがよくある。
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)54秒(基準対照32.2)、他は正常。
母方の従兄弟にも同様の症状がある。
考えられるのはどれか。
A. Schönlein-Henoch紫斑病 (シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)
B. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
C. 血友病
D. 再生不良性貧血
E. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
F. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
G. 慢性骨髄性白血病
H. von Willebrand(フォン ・ヴィレブランド)病
(解説)
関節内出血、APTTの延長、母方の男性にも同じ疾患(伴性劣性遺伝)とくれば、答えにはすぐ到達します。
・ Schönlein-Henoch紫斑病では、APTTの延長はありません。出血の出方も異なります。
・ TTPでは、APTTの延長はありません(前問の解説も参照:CBT試験問題(こあかり):血小板数低下)。
・ 血友病は先天性出血性素因です。関節内出血、筋肉内出血がみられます。APTTが延長します。
・ 再生不良性貧血では、APTTの延長はありません。
・ ITPでは、血小板数が低下します。APTTの延長はありません。
・ 播種性血管内凝固症候群(DIC)では、FDPやDダイマーの上昇がみられます。APTTの延長がある場合もありますが特徴的ではないです。
・ CMLでは、白血球の増加がみられます。通常、APTTの延長はありません。
・ VWDは、粘膜出血(鼻血など)が特徴的です(前問の解説も参照:CBT試験問題(こあかり):血小板数低下)。
(正答) C
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:16| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)