金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年10月14日

先天性凝固因子欠損症:血栓止血の臨床〜研修医のために〜

血栓止血学会では、「血栓止血の臨床〜研修医のために〜」が、HP上で連載でアップされています。

学会員でなくても、IDやパスワードなくフリーで閲覧可能です。

是非とも、ご活用いただければと思います。

 

「その他の先天性凝固因子欠損症の診断と治療」

(「特集:血栓止血の臨床—研修医のために—」より)

著者名:長江千愛 他。
雑誌名:日本血栓止血学会誌 21: 297-300, 2010.

 

<論文の要旨>

血友病類縁疾患は凝固因子抗原量と活性の関係から、Type1(凝固因子欠乏症)と、Type2(凝固因子異常症)の二つに分類されます。

わが国における血友病類縁疾患は、先天性フィブリノゲン欠乏症と第XIII因子欠乏症、第VII因子欠乏症が多いです。

血友病類縁疾患の診断は、病歴や家族歴、出血症状や部位、凝固スクリーニング検査と各種凝固因子の定量や活性値を測定して行います。

血友病類縁疾患の臨床症状は欠乏する凝固因子によっても様々です。関節内や筋肉内の深部出血が特徴的とされますが、鼻出血や皮膚の出血斑も多いです。

出血時や手術などの観血的処置を行う際には、不足した凝固因子を補正するため血液凝固製剤や新鮮凍結血漿(FFP)による補充療法が行われます。


<参考>
血栓止血の臨床 研修医のために(日本血栓止血学会HPより)
http://www.jsth.org/publications/index3.html
非学会員でも、IDやパスワードなくフリーで閲覧可能。

出血傾向の鑑別、血友病の診断と治療、von Willebrand病の診断と治療、後天性血友病・後天性von Willebrand病の診断と治療、血友病症例の手術と止血管理、血液凝固異常症の臨床と検査 - 血栓性素因の診断 -、小児科で遭遇する出血性/血栓性疾患、血液凝固因子製剤(vWF, fibrinogen, factor XIII)、DDAVP、血小板製剤、新鮮凍結血漿、Factor VIIa 製剤など、60編以上の記事を閲覧できます。
 

 

【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 出血性疾患