特発性血小板減少性紫斑病(ITP):幼若血小板比率(IPF)(4)
血小板減少におけるIPF
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の場合、IPFと血小板数の逆相関はより顕著にみられます(上図)。
柴山正美, 杉森尚美, 上地幸平, et al: 骨髄異形成症候群の幼若血小板高比率は7番染色体異常を含む予後不良染色体異常の存在を示唆する. 日本検査血液学会雑誌 9:136-42, 2008
治療が奏効し血小板数が回復すれば、IPFも正常化します。
Abe Y, Wada H, Tomatsu H, et al: A simple technique to determine thrombopoiesis level using immature platelet fraction (IPF). Thromb Res 118:463-9, 2006
肝硬変など脾機能亢進時も同様の傾向が認められます。
これは、血小板造血能が正常に保たれていれば、血小板減少の程度に応じた骨髄巨核数増加を反映していると考えられます。
一方、再生不良性貧血では、血小板産生能が回復しないかぎり、IPFの増加はみられません。
Briggs C, Kunka S, Hart D, et al: Assessment of an immature platelet fraction (IPF) in peripheral thrombocytopenia. Br J Haematol 126:93-9, 2004
このように、IPF測定により、骨髄における血小板産生能を半定量的に評価することが可能です。
Mean platelet fraction (MPV)やplatelet distribution width (PDW)も血小板産生能評価の指標になり得ますが、精度はIPFの方が優れます。
Ault KA, Rinder HM, Mitchell J, et al: The significance of platelets with increased RNA content (reticulated platelets). A measure of the rate of thrombopoiesis. Am J Clin Pathol 98:637-46, 1992
(続く)同種造血幹細胞移植:幼若血小板比率(IPF)(5)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:46| 出血性疾患