2010年11月08日
骨髄異形成症候群:幼若血小板比率(IPF)(9)
MDS:幼若血小板比率(IPF)(8) より続く
骨髄異形成症候群におけるIPF(2)
幼若血小板比率(IPF)高比率MDSを、血小板数5万/μl以上かつIPF 10%以上と定義した場合、自施設のMDS 40例中8例(20%)を占めていました。
一方、このような症例は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)例には全くみられませんでした。
IPF高比率MDSは、7番染色体異常を中心に全例で染色体異常がみられました。
また、血小板・骨髄巨核球の形態異常が高頻度にみられました。
MDS病型分類では、RAEBが 4例(RAEB全体の40%)を占めましたが、RAも4例(RA全体の13%)含まれていたことは注目すべきと考えられます。
比較的予後良好と考えられるRAでも、IPF高値例は、予後不良染色体異常が存在し、実際は高リスクMDSの可能性があります。
MDSにおけるIPF測定は、7番染色体異常を中心とする予後不良MDSをスクリーニングスする迅速かつ簡便な方法として有用かもしれません。
(続く)血小板数減少とIPF検査 :幼若血小板比率(IPF)(10)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55| 出血性疾患