2010年12月16日
血液内科問題(鼻出血):(兼)医師国家&専門医 試験対策
金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。
今回は、出血性疾患に関する臨床問題です。
患者:
21歳女性。
頻回かつ止血困難の鼻出血の精査目的に来院した。
血液検査は下記の通りであった。
Hb 8.1 g/dL,血小板数 33.8万/μL,出血時間12分,PT 10.3秒,APTT 82.3秒,フィブリノゲン 282 mg/dL,FDP 2.3 μg/mL.
妹も、幼少時より鼻出血がみられやすい。
この疾患の止血治療として正しいものはどれか。1つ選べ。
a) 濃厚血小板
b) 新鮮凍結血漿
c) 副腎皮質ステロイド
d) デスモプレシン(DDAVP)
e) 遺伝子組換え第VIII因子製剤
21歳女性。
頻回かつ止血困難の鼻出血の精査目的に来院した。
血液検査は下記の通りであった。
Hb 8.1 g/dL,血小板数 33.8万/μL,出血時間12分,PT 10.3秒,APTT 82.3秒,フィブリノゲン 282 mg/dL,FDP 2.3 μg/mL.
妹も、幼少時より鼻出血がみられやすい。
この疾患の止血治療として正しいものはどれか。1つ選べ。
a) 濃厚血小板
b) 新鮮凍結血漿
c) 副腎皮質ステロイド
d) デスモプレシン(DDAVP)
e) 遺伝子組換え第VIII因子製剤
(解説)
・妹にも出血症状がみられており、先天性出血性素因が疑わしい。
・鼻出血は粘膜出血の一つ。おそらく、鼻出血のため貧血がみられている。参考:遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)と鼻出血
・血液検査では、APTTの延長と、出血時間の延長がみられている。
・以上より、von Willebrand病と考えられる。
・出血時には、コンファクトF(第VIII因子も含有された血漿由来第VIII因子製剤)またはデスモプレシン(DDAVP)が有効である。(参考:止血剤の種類と疾患)
(正答) d)
(正答率)80.2%
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 医師国家試験・専門医試験対策