金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年12月17日

血液内科問題(血栓止血の臨床):(兼)医師国家&専門医 試験対策

金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。

今回は、血栓止血の臨床に関する臨床問題です。

 

 

血栓止血関連疾患の治療に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。

a)    心原性脳塞栓の再発予防としては、アスピリンによる抗血栓療法が有効である。

b)    単純性紫斑病に対しては、ビタミンCの投与が有効である。

c)    アレルギー性紫斑病に対しては、アンチトロンビン製剤の投与が有効である。

d)    閉塞性黄疸を合併したビタミンK欠乏症に対しては、ビタミンKの内服が有効である。

e)    第VIII因子インヒビターの出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤が有効である。


 



(解説)

a)    心原性脳塞栓の再発予防としては、アスピリンではなくワルファリンによる抗血栓療法が有効である。

b)    単純性紫斑病に対しては、治療の必要はない。

c)    アレルギー性紫斑病は、無治療で経過観察できることが多い。アンチトロンビン製剤は
播種性血管内凝固症候群(DIC)および先天性アンチトロンビン欠損症に対して用いられる。

d)    閉塞性黄疸を合併したビタミンK欠乏症においては、ビタミンK(脂溶性ビタミンであり吸収のために胆汁を必要とする)を内服しても吸収されないために、点滴による投与を行う。

e)    第VIII因子インヒビターの出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(商品名:ノボセブン)が有効である(止血剤の種類と疾患)(参考記事:後天性血友病とは)。

 

 (正答) e)

 

(正答率)92.7%

 

(関連サイト)血栓止血の臨床(研修医のために)← 血栓止血学会HP(ID、パスワード不要、無料)

 

【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:00| 医師国家試験・専門医試験対策