金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年12月18日

血液内科問題(TTP&HUS):(兼)医師国家&専門医 試験対策

金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。

今回は、TTP&HUSに関する臨床問題です。

 

 

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の両者に共通した所見の記載として正しいはどれか。1つ選べ。

a)    血中Dダイマーの上昇

b)    ク−ムス試験陽性

c)    vWF切断酵素活性の著減

d)    直接ビリルビンの上昇

e)    血清LDHの上昇


 



(解説)

a)    血中Dダイマーの上昇は、播種性血管内凝固症候群(DIC)でみられる所見である。

b)    ク−ムス試験は、
TTPHUSのいずれにおいても陰性である。

c)    vWF切断酵素(ADAMTS 13)
活性の著減は、典型的TTP症例においてみられる所見であるが、HUSにおいてはみられない。

d)  
TTPHUSにおいては、直接ビリルビンではなく、間接ビリルビンが上昇する。

e)    正しい。


 

 (正答) e)

 

(正答率)94.8%

 

 

【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:14| 医師国家試験・専門医試験対策