金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年12月27日

血液内科問題(貧血):(兼)医師国家&専門医 試験対策

金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。

今回は、貧血などに関する問題です。

 

2.フェリチンに関する記載で誤りはどれか?1つ選べ。

a.    鉄の過剰状態では翻訳が亢進する。
b.    鉄欠乏状態では血清フェリチン値は低下する。
c.    アポフェリチンと鉄とのcomplexである。
d.    肝炎や膵炎では増加する。
e.    ヘプシジンが増える状況では血清フェリチンは低下する。

正答)e

関連記事:鉄キレート療法:MDS、再生不良性貧血 へ

正答率)54.2%




3.鉄欠乏性貧血に関する記載のうち誤りはどれか。1つ選べ.

a.    異食症や嚥下困難はしばしばみられる症状である。
b.    多くの場合は検診で発見される。
c.    原因の検索がもっとも重要である。
d.    フェリチンの正常化を目標に鉄剤を内服させる。
e.    ヘリコバクター・ピロリ感染と関係がある。

正答)a

正答率)54.2%



4.特殊染色に関する次の記載のうち誤りはどれか。1つ選べ.

a.    エステラーゼ染色は単球と顆粒球を染める染色である。
b.    ズダンブラック染色の意義はペルオキシダーゼ染色と同じである。
c.    好中球アルカリフォスファターゼスコアは慢性骨髄性白血病や発作性夜間ヘモグロビン尿症で低値を示す。
d.    急性骨髄性白血病と診断された患者の白血病細胞は通常ほとんどがペルオキシダーゼ陽性となる。
e.    鉄染色で観察する血球は主に赤芽球である。


正答)d

正答率)66.7%




5.再生不良性貧血に関する記載の中で誤りはどれか。1つ選べ.

a.    特発性のものが大部分を占める。
b.    骨髄異形成症候群の不応性貧血との鑑別が困難なことがある。
c.    胸腰椎のMRIは骨髄細胞密度の評価に有用である。
d.    HLA一致同胞ドナーがいない場合、第一選択はHLA一致非血縁ドナーからの骨髄移植である。
e.    発作性夜間ヘモグロビン尿症に移行する例がある。


正答)d

正答率)60.4%




6.溶血性貧血に関する記載の中で正しいのはどれか。1つ選べ.

a.    球状赤血球症ではほとんどの赤血球が球状化している。
b.    PNH患者でGPIアンカー膜蛋白が欠損しているのは主として赤血球である。
c.    自己免疫性溶血性貧血における間接クームズ試験陽性は,特発性血小板減少性紫斑病のPAIgG陽性に相当する.
d.    もっとも鋭敏な溶血のマーカーはLDHの上昇である。
e.    伝染性紅斑の流行時には貧血の進行に注意が必要である。



正答)e

正答率)45.8%



7.貧血についての結びつきのうち誤りはどれか。1つ選べ。

a.    鉄芽球性貧血 — 環状赤芽球 — 血清鉄の上昇
b.    症候性貧血 — 甲状腺機能低下症 — 血清鉄の低下
c.    骨髄異形成症候群 — 大球性貧血 — 無効造血
d.    赤芽球癆 — 網赤血球の減少 — 胸腺腫
e.    PNH — LDHの上昇 — 高率に白血病に移行



正答)e

正答率)58.3%




8.治療法で正しい結びつきはどれか.1つ選べ。

(1)    発作性夜間ヘモグロビン尿症 ― C5に対するモノクローナル抗体
(2)    赤芽球癆 ― メトトレキサート
(3)    サラセミアマイナー ― 同種骨髄移植
(4)    遺伝性球状赤血球症 ― 摘脾
(5)    自己免疫性溶血性貧血 ― 副腎皮質ステロイド


a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5)  d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)

正答)c

正答率)91.7%

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34| 医師国家試験・専門医試験対策