金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年01月13日

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の治療

血液領域のトップジャーナルであるBloodに、How I treatの論文が連載されています。

今回紹介させていただく論文は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の「How I treat」論文です。ご興味のある方は、是非とも論文を直接読んでいただければと思います。

TTPは、近年ADAMTS13の話題がホットです。

 


「私の行っているTTP治療(2010年):How I treat

著者名:George JN.
雑誌名:Blood 116: 4060-4069, 2010.


<論文の要旨>

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、微小血管障害性溶血性貧血、血小板数減少、(神経障害または腎障害)を有した症例に対して使用される病名です。

血漿交換の適応を適切に検討する上でもTTPの診断は重要です。


TTPにおいてADAMTS13が10%以下に低下することは、TTP診断に必須と言う訳ではありません。

実際、ADAMTS13の低下が高度ではない症例においても血漿交換が有効の場合があります。

また、ADAMTS13の低下は他疾患においても見られます。

 
しかし、ADAMTS13が高度に低下したTTP症例においては、血漿交換に加えて副腎皮質ステロイドや他の免疫抑制療法が有効であること、再発しやすいことと言った特徴がみられます。


TTPの予後は血漿交換の導入により明らかに改善し、約80%の症例においては急性期を脱することができます。

ただし、完全に回復したようにみえる症例であっても、多くの場合は軽症の認知機能障害が残存します。


TTPに対する、より有効で安全な治療が求められています。

 


【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31| 出血性疾患