2011年03月28日
DICの多様性(病型分類):急性・慢性・(非)代償性
播種性血管内凝固症候群(DIC)は、とても多様です。
DICの病型分類(線溶抑制型、線溶均衡型、線溶亢進型)は、既に記事にさせていただいていますが、これ以外にもDICの分類は多数あります。
DICの多様性を示していると思います。
【急性DICと慢性DIC】
DICの経過から、急性DICと慢性DICという分類法があります。
何日までの経過があれば急性期であるというような明確な線引きがある訳ではないため、やや概念的な分類です。
急性DICの代表的基礎疾患:
敗血症、その他の重症感染症、急性白血病、外傷、熱傷、熱中症、産科合併症(常位胎盤早期剥離、羊水塞栓)、劇症肝炎、急性膵炎、ショック、横紋筋融解など。
慢性DICの代表的基礎疾患:
固形癌、腹部大動脈瘤、巨大血管腫など。
(腹部大動脈瘤や巨大血管腫などは、しばしば年単位経過を取ることが少なくありません)
【代償性DICと非代償性DIC】
消費性凝固障害の有無による分類です。
代償性DICは、血小板や凝固因子と言った止血因子がDICのために消費はされているものの、骨髄からの血小板産生や肝からの凝固因子産生が十分であるために、血小板や凝固因子が低下しない状態です(消費性凝固障害の状態ではありません)。
非代償性DICは、血小板や凝固因子の消費が速く、血小板産生や凝固因子産生が追い付かないために、血小板や凝固因子が低下する状態です(消費性凝固障害の状態です)。
時に血小板や凝固因子が正常値以上に上昇することもあり、この場合、過代償性DICと称することもあります。
代償性DICや非代償性DICも明確な診断基準がある訳ではなく、概念的な分類です。
なお、代償性DICに関しては、FDPは上昇しますが、血小板数や凝固因子低下がないため、旧厚生省DIC診断基準ではDICと診断されないことが多いです(参考:FDPとDダイマー)。
DICの多様性:準備状態・(非)顕性・(非)炎症性 へ続く
DICの病型分類(線溶抑制型、線溶均衡型、線溶亢進型)は、既に記事にさせていただいていますが、これ以外にもDICの分類は多数あります。
DICの多様性を示していると思います。
【急性DICと慢性DIC】
DICの経過から、急性DICと慢性DICという分類法があります。
何日までの経過があれば急性期であるというような明確な線引きがある訳ではないため、やや概念的な分類です。
急性DICの代表的基礎疾患:
敗血症、その他の重症感染症、急性白血病、外傷、熱傷、熱中症、産科合併症(常位胎盤早期剥離、羊水塞栓)、劇症肝炎、急性膵炎、ショック、横紋筋融解など。
慢性DICの代表的基礎疾患:
固形癌、腹部大動脈瘤、巨大血管腫など。
(腹部大動脈瘤や巨大血管腫などは、しばしば年単位経過を取ることが少なくありません)
【代償性DICと非代償性DIC】
消費性凝固障害の有無による分類です。
代償性DICは、血小板や凝固因子と言った止血因子がDICのために消費はされているものの、骨髄からの血小板産生や肝からの凝固因子産生が十分であるために、血小板や凝固因子が低下しない状態です(消費性凝固障害の状態ではありません)。
非代償性DICは、血小板や凝固因子の消費が速く、血小板産生や凝固因子産生が追い付かないために、血小板や凝固因子が低下する状態です(消費性凝固障害の状態です)。
時に血小板や凝固因子が正常値以上に上昇することもあり、この場合、過代償性DICと称することもあります。
代償性DICや非代償性DICも明確な診断基準がある訳ではなく、概念的な分類です。
なお、代償性DICに関しては、FDPは上昇しますが、血小板数や凝固因子低下がないため、旧厚生省DIC診断基準ではDICと診断されないことが多いです(参考:FDPとDダイマー)。
DICの多様性:準備状態・(非)顕性・(非)炎症性 へ続く
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51| DIC