金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年04月30日

金沢大学第三内科「呼吸器研究グループ」紹介(2)

金沢大学第三内科「呼吸器研究グループ」紹介(1)より続く。

呼吸器内科は、専門的に実践しよう(専門呼吸器内科)とすると大変ハードな領域ですので、チーム医療が必要です。

しかし、日本呼吸器学会の調査によると、日本における専門医の数は、循環器、消化器の1/4である一方、入院患者数は循環器、消化器と同じ数であり、極めて厳しい現状にあります。

しかし、見方を変えれば、需要が多い→将来に不安がないことになります。


2009年4月〜2010年3月の1年間の論文業績は,原著16編(英文14,邦文2)と症例報告2編(英文0,邦文2)、著書・総説8編と、3年前から続いた失速と昨年のnadirから回復の兆しが見え始めてきました。

以下に、最近の主な研究成績と進行中のテ−マを紹介します。


気道疾患グループ

慢性咳嗽、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関して基礎的・臨床的研究を継続しています。

「アトピー咳嗽の確立」と「慢性咳嗽診療の標準化」に取り組み、国内外をリードする我々のグループにとって、各々の疾患における咳嗽の発生機序の解明と治療法の開発は責務となっています。

アトピー咳嗽に関する基礎的研究は、徳田先生が学位研究「アレルギー機序による咳感受性亢進と各種免疫調整薬の影響」によってマクロライドの新作用を発見し、あっという間にPulmonary Pharmacology and Therapeuticsに採用されました(学位論文)。

咳喘息の咳嗽発生機序に関する研究(大倉先生)は順調に進んでいます。

臨床研究では、世界で初めて気管支平滑筋収縮による咳嗽反応に着目し、喘息患者では、平滑筋が収縮しても咳嗽が誘発されにくい(impaired cough response to bronchoconstriction)が、咳喘息患者では本反応が亢進していることが明らかになりつつあります。

この反応は咳喘息の基本病態につながる重要な研究対象です。

誘発喀痰の解析は、気道疾患の病態解析に重要です。徳田先生を中心に喀痰誘発における自己出力音響デバイス(ラングフルート)の有用性を検討しており、この方法が従来の高張食塩水吸入法と同等に有用であることが明らかとなりつつあります。


【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

慢性咳嗽の診療

非小細胞肺癌治療の最前線

肺がんに気づくサイン

 

 【リンク】

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20| 呼吸器内科