金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年09月03日

CBT問題(コアカリ):播種性血管内凝固(DIC)

CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。

今回の記事では、播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する問題を紹介させていただきます。

 

Q. 播種性血管内凝固(DIC)の発症頻度が最も高いのはどれか。

A.    急性前骨髄球性白血病
B.    急性巨核芽球性白血病
C.    特発性血小板減少性紫斑病
D.    骨髄異形成症候群
E.    多発性骨髄腫



(解説)

A.    急性前骨髄球性白血病(APL)では、DICはほぼ必発です。DICの二大症状(出血症状、臓器症状)のうち、出血症状がみられやすいのが特徴です(参考:播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ))。
B.    DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。
C.    特発性血小板減少性紫斑病では、DICを合併することはまずありません。
D.    DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。
E.    DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。



(DICの基礎疾患)

1)    敗血症、その他の重症感染症(参考:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果)。
2)    悪性疾患:固形癌、急性白血病など(特に、 急性前骨髄球性白血病<APL>)。
3)    産科合併症:常位胎盤早期剥離,羊水塞栓など。
4)    外傷(頭部外傷、骨折を含む)、熱傷
5)    膠原病(特に血管炎合併例)(参考:抗リン脂質抗体症候群
6)    ショック
7)    大動脈瘤
8)    劇症肝炎、肝硬変、急性膵炎
9)    その他


(正答) A

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 医師国家試験・専門医試験対策