金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2011年09月04日

CBT問題(コアカリ):血液凝固因子

CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。

今回の記事では、血液凝固因子に関する問題を紹介させていただきます。

以前の記事で書かせていただいたように、受験者の記憶による再現問題ですので、実際の問題とは違うかも知れません。多分、今回の問題は正しく再現さえていないように感じます(あまりにも難問だからです)。

 

Q ビタミンK依存性凝固因子で、活性型プロテインCにより活性を抑制される。生体内において、外因系の因子によって直接活性化される。この凝固因子はどれか。

A.    第I因子
B.    第II因子
C.    第V因子
D.    第VII因子
E.    第VIII因子
F.    第IX因子
G.    第X因子
H.    第XI因子
I.    第XII因子
J.    第XIII因子


(解説)

1)    ビタミンK依存性凝固因子は、第VII、IX、X、II因子です(半減期の短い順番です)(参考:血液凝固検査入門(図解シリーズ))。

2)    活性型プロテインCが抑制する凝固因子は、第Va & VIIIa因子です(第Xa因子は第Va因子を補酵素としており、第IXa因子は第VIIIa因子を補酵素としています)(参考:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果)。

活性型プロテインCは、第Va & VIIIa因子を不活化することで、間接的に第Xa&IXa因子の作用を阻止することになります。

3)    外因系の因子、つまり第VIIa因子により直接活性化されるのは、第X因子(in vitro)または第IX因子(in vivo)です(参考:凝固カスケード(PT&APTT))。


問題の再現が正しいとしますと、この問題は相当に難問です。

なお、問題文中の「生体内において」は管理人が追加しました。もし、追加しない場合には、F、Gの2つが正答になります。


(正答) F

 

【リンク】

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 医師国家試験・専門医試験対策