血液内科試験:抗凝固療法/ダビガトラン(プラザキサ)など
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、抗血栓療法関連の問題です。
12. 血栓止血の臨床に関する記載として正しいはどれか.1つ選べ.
a. ワルファリンを内服すると、血中PIVKA II濃度が上昇する.
b. ダビガトラン(プラザキサ)はビタミンK依存性凝固因子を低下させる.
c. 深部静脈血栓症(DVT)に対する抗血栓療法としては,アスピリンが第一選択である.
d. 閉塞性動脈硬化症に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択である.
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては,シロスタゾールが第一選択である.
(解説)
a. PIVKA IIは、protein induced by vitamin K absence II(II:プロトロンビン)の頭文字に由来します。文字通り、ビタミンK欠乏状態で誘導される蛋白の一つである(活性のない)プロトロンビンです。
ワルファリンはビタミンK拮抗薬です。ワルファリンを投与しますと、PIVKA IIは上昇します。
もっとも、ワルファリン内服中の人は、PIVKA IIが上昇しているのが当然ですので、PIVKA IIを測定することはナンセンスではありますが。。。。
b. ダビガトラン(商品名:プラザキサ)は、経口抗トロンビン薬です。言わば、次世代のワルファリンとして期待されています。平成23年3月から処方されるようになった期待の新薬です。
ただし、使用方法を間違えますと、出血の副作用がでます(このことでマスコ上でも話題になった薬物でもあります)(参考:プラザキサ vs ワーファリン 3:ダビガトランとAPTT)。
c. 深部静脈血栓症(DVT)に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択です。
d. 閉塞性動脈硬化症に対する抗血栓療法としては,アスピリン、プレタール、プロサイリンなどの抗血小板療法が第一選択です。
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択でした。そして、平成23年3月から、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)も強力な選択肢に加わりました。
(正答) a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| 医師国家試験・専門医試験対策