金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年09月14日

血液内科試験:血液凝固検査


内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。

今回の問題は、金沢大学ではおなじみの血液凝固検査の問題です。

 

9.    血栓止血関連マーカーの変動を示した下記の記載のうち正しいものはどれか.1つ選べ.


疾患・病態 出血時間 PT APTT HPT
Glanzmann病 延長 正常 正常 低下
後天性血友病A 正常 正常 延長 低下
肝硬変 延長 延長 延長 低下
先天性第VII因子欠損症 正常 延長 正常 正常
ビタミンK欠乏症 正常 延長 延長 正常

 

PT:プロトロンビン時間

APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間

HPT:ヘパプラスチンテスト

 

解説)

HPTは、ビタミンK依存性凝固因子のうち、血液凝固第 VII、X、II 因子を総合的に評価します。

・Glanzmann病:血小板無力症とも言います。出血時間は延長しますがあとは正常です。

・後天性血友病A: VIII因子活性が低下します。HPTは低下しません。

・肝硬変:ほとんど全ての凝固因子活性が低下します。血小板数も低下します。 

・先天性第VII因子欠損症:HPTは低下します。

・ビタミンK欠乏症:HPTは低下します。   

正答) c

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35| 医師国家試験・専門医試験対策