金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年10月09日

糖ペグ化遺伝子組換え第IX因子製剤(血友病Bに対して)

論文紹介を続けさせていただきます。

今回の論文は、Blood に報告された、糖ペグ化遺伝子組換え第IX因子製剤の薬理動態」(血友病B患者に対する最初の臨床試験)に関するものです。

 

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糖ペグ化遺伝子組換え第IX因子製剤の薬理動態
」(血友病B患者に対する最初の臨床試験)

 

著者名:Negrier C, et al.
雑誌名:Blood 118: 2695-2701, 2011.


<論文の要旨>

血友病Bに対しては第IX因子(FIX)製剤による補充療法が推奨されています。

N9-GPは、糖ペグ化することで半減期を長くした遺伝子組換え第IX因子製剤です。


治療歴のある血友病B16例において、従来使用しているFIX製剤1回投与し、その後N9-GPが1回同用量(25、50 or 100U/kg)で投与されました。


その結果、インヒビター出現は0例でした。

1例ではN9-GP投与中に過敏症状が出現したために薬理動態の解析から除外しました。

血中半減期は93時間と従来の製剤の約5倍でした。

N9-GPの生体内回収率は従来の遺伝子組換え製剤や血漿由来製剤と比較して、それぞれ94%、20%高い結果でした。


以上、N9-GPは1回の輸注により出血エピソードに対して有効であり、輸注投与回数を減らすものと考えられました。



【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 出血性疾患