金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年11月20日

維持療法:咳喘息・アトピー咳嗽・副鼻腔気管支症候群10

導入治療:咳喘息・アトピー咳嗽・副鼻腔気管支症候群9  より続く。

 

咳喘息・アトピー咳嗽・副鼻腔気管支症候群(10):維持療法(長期管理)

治療薬を減量・中止するとすぐに再燃する場合、咳喘息からの喘息発症を予防する場合に実施します。


1)咳喘息


咳喘息は30%が典型的喘息に移行しますが、長期吸入ステロイド療法はこの喘息への移行を予防します()。

Fujimura M, et al: Comparison of atopic cough with cough variant asthma: Is atopic cough a precursor of asthma? Thorax 58: 14, 2003


したがって、上記導入療法によって咳嗽が軽快した後は、気管支拡張薬は減量・中止し、吸入ステロイド薬を長期に使用します。しかしながら、現時点では、その使用期間および使用量に関する詳細は不明です。


2)アトピー咳嗽

喘息への移行は認められませんので、治療によって咳嗽が軽快すれば治療薬を減量・中止します。

多くの患者では咳嗽の再燃がみられますが、同じ治療の繰り返しで対処できます。



3)副鼻腔気管支症候群


導入療法によって症状が軽快・消失すれば、治療薬を減量・中止できるので、維持療法は不要です。

かぜ症候群を契機に再燃しても、同じ治療で対処できます。ただし、重症例では膿性痰が消失せず、維持療法を余儀なくされる場合もあります。

 

(続く)咳喘息・アトピー咳嗽・副鼻腔気管支症候群11 へ

 

 
【関連記事】  咳嗽の診断と治療
1)ガイドライン
2)咳嗽の定義 & 性状
3)急性咳嗽
4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽
5)咳嗽の発症機序
6)診断フローチャート
7)咳喘息
8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息
9)副鼻腔気管支症候群(SBS)
10) 胃食道逆流症(GERD)
11)慢性咳嗽&ガイドライン

【リンク】
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15| 咳嗽ガイドライン