2011年12月19日
血管内皮の抗血栓作用:金沢大学血液内科試験問題
鼻出血&貧血:金沢大学血液内科試験問題 より続く
平成23年度 金沢大学血液内科学系統講義試験:細胞移植学(血液内科)<問題の紹介と正答>
問18. 血管内皮の抗血栓作用と関連しているのはどれか。1つ選べ。
a. 組織因子
b. von Willebrand因子
c. 組織因子経路インヒビター(TFPI)
d. α2 プラスミンインヒビター(α2 PI)
e. プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)
(解説)
血管内皮の抗血栓作用(参考:血管内皮と血管)と関連した物質としては、トロンボモジュリン、へパリン様物質(アンチトロンビンおよび組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)が結合)、PGI2(プロスタサイクリン)、一酸化窒素(NO)、組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)などが知られています(参考:リコモジュリン、トロンボモジュリン製剤)。
a. 組織因子の作用によって、外因系凝固が動きます。
b. von Willebrand因子は、血小板粘着に必要です。第VIII因子のキャリアー蛋白でもあります。
c. 組織因子経路インヒビター(TFPI)は、血管内皮の抗血栓作用に寄与しています。
d. α2 プラスミンインヒビター(α2 PI)は、プラスミンと結合することによって、線溶阻止的に作用します。
e. プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)は、組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)と結合することによって、線溶阻止的に作用します。
(正答)c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 医師国家試験・専門医試験対策