2012年01月08日
von Willebrand病と過多月経&出産時出血
von Willebrand病(VWD)女性における過多月経におよび出産時出血について論じた論文を紹介させていただきます。
(参考)血友病、後天性血友病、PT-INR、APTT、第VIII因子インヒビター
「von Willebrand病(中等症〜重症)における婦人科的および出産時出血」
著者名:De Wee EM, et al.
雑誌名:Thromb Haemost 106: 885-892, 2011.
<論文の要旨>
中等症〜重症のvon Willebrand病(VWD)における婦人科的および出産時の出血調査が、オランダで開始されました。
女性423症例(16歳以上)が登録されました。出血の重症度は、 Tosetto Bleeding (BS)で評価されました。
その結果、過多月経は81%の症例で認められました。
全VWD女性のうち78%の症例では、過多月経に対して何らかの治療をうけており、20%の症例では主として重症の過多月経のために子宮摘出術が行われていました。
過半数の症例においては、出産時の異常出血がみられていました。
報告された妊娠のうち52%において、出血が原因のため掻爬術が行われていました。
挙児に到った平均数は1.9人であり、一般オランダ人と同様でした。
以上、中等症〜重症のVWDにおいては治療を要する過多月経が高頻度にみられ、20%では子宮摘出術が行われていた。
過半数を越える症例では出産時の異常出血または流産がみられました。ただし、出生数には影響がないものと考えられました。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04| 出血性疾患