2012年05月17日
新規経口抗凝固薬(4): プラザキサのモニタリング不要?
新規経口抗凝固薬(3): プラザキサとイグザレルト(心房細動)より続く。
参考記事:PT-INR、ダビガトラン、プラザキサ、ワーファリン、リバーロキサバン、アピキサバン、深部静脈血栓症
ワルファリン(商品名:ワーファリン)は、適切なコントロールのために、診察時に毎回血液検査を行ってコントロール具合をチェックする必要があります(参考記事:PT-INR)。
これに対して、上図のような新規経口抗凝固薬であれば、頻回の採血を必要としないことがウリにされています。
心房細動に対して、日本で最初に保険収載された新規経口抗凝固薬はプラザキサですが、やはり当初は血液検査をあまり必要としないことをウリにしていました。
本当に、それで良かったのでしょうか?
残念なことに、プラザキサは致命的な出血をきたした症例も出て、ブルーレターがでてしまったのは記憶に新しいところです。
特に腎障害症例、高齢者症例などで問題になったようです。
適切なモニタリングをしていれば、このようなことは避けられたのではないでしょうか。
その後のメーカーさんのご努力で、出血の有害事象の出現は激減したとお聞きしていますが、油断禁物です。
プラザキサのみならず、イグザレルト、リクシアナ、アピキサバンにつきましても適切なモニタリングは欠かせないのではないでしょうか。
新規経口抗凝固薬は、いずれも神様からのプレゼントともいうべき素晴らしいお薬です。
これらの素晴らしいお薬がポシャることのないように、モニタリングはとても重要ではないかと思います。
(続く)新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 抗凝固療法