2012年05月19日
新規経口抗凝固薬(6): プラザキサとPT・APTT・検査試薬
新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング より続く。
参考記事:PT-INR、ダビガトラン、プラザキサ、ワーファリン、リバーロキサバン、アピキサバン、深部静脈血栓症
既に、下記のリンク先で記事にさせていただいていますように、プラザキサやイグザレルトなどの新規経口抗凝固薬は、治療域で、PT(PT-INR)やAPTTを有意に延長させます。
出血性疾患の代表である血友病やvon Willebrand病に匹敵する位の延長がみられることもあります(血中薬物濃度がピークのポイントで)。
モニタリングは、やはり必要ではないでしょうか。
ダビガトラン(商品名:プラザキサ) のINR&APTTへの影響
リバーロキサバン(商品名:イグザレルト) のINR&APTTへの影響
ただし、モニタリングを行う上で、いくつかの注意点があると思います。
一つは、新規経口抗凝固薬を内服してから、何時間のポイントで採血するかです(参考:新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング )。
その次には、PT検査試薬やAPTT検査試薬に何を使うかです。
上図のように、ダビガトラン(プラザキサ) のレベルでPTやAPTTは延長するのですが、どの検査試薬を用いるかによって、その延長度が相当に異なるのです。
これは注意しないといけないと思います。
上図は海外での検査試薬のシェアを考慮した検討なのだと思います。
日本での試薬のシェアはまた違っていますので、上図の検討の日本バージョンが是非必要ではないかと思っています。
(続く)新規経口抗凝固薬(7): イグザレルト(リバーロキサバン)とPT-INR へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:10| 抗凝固療法