2012年07月28日
血液内科学系統講義試験:血栓止血学(8)
平成24年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成24年7月17日 (火)
今回は血栓止血学(8)です。
問20.
69歳女性。
5日前より頻尿と排尿時痛を自覚。昨日より39℃を超える発熱、口渇がみられるようになり来院した。
肋骨脊柱角に叩打痛を認める。
血液学的検査:白血球 15,800、赤血球 374万、Hb 12.1g/dl、血小板 4.8万、クレアチニン 1.2 mg/dl、LDH 202単位(基準176〜353)、PT 13.4秒(基準10〜14)、FDP 41μg/ml。
なお、血液培養にて大腸菌が検出された。
最も適切な治療薬はどれか。1つ選べ。
a. 濃厚血小板
b. ビタミンK
c. 新鮮凍結血漿
d. トラネキサム酸
e. 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)
(解説)
膀胱炎 → 急性腎盂腎炎 → 敗血症に至った症例である。
血小板数低下と、FDP上昇が際立った所見である。
敗血症を基礎疾患として、DICを合併したものと考えられる。
a. この程度の血小板数低下であれば、濃厚血小板輸注は必要ない。
b. PTは正常であり、ビタミンK欠乏状態ではない。
c. PTは正常であり、新鮮凍結血漿は必要ない。
d. 禁忌である!
e. 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)は、DICの特効薬である。
(答え) e
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:48| 医師国家試験・専門医試験対策