血液内科学系統講義試験:白血病など
平成24年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成24年7月17日 (火)
今回は白血病などです。
問27. 本邦の成人患者に関する記述で正しいのはどれか。
(1) 急性骨髄性白血病の罹患率は慢性骨髄性白血病のそれより低い。
(2) 急性リンパ性白血病におけるキメラ遺伝子の頻度はbcr/ablが最も高い。
(3) 慢性骨髄性白血病患者に対する造血幹細胞移植件数は減少している。
(4) 本態性血小板血症患者の大部分はJAK2遺伝子変異陽性である。
(5) 多発性骨髄腫の人口10万人あたりのおおまかな年間発症数は30人である。
a. (1) (2) b. (2) (3) c. (3) (4) d. (4) (5) e. (1) (5)
(正答)b
問28. 疾患名と臨床症状の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. 急性前骨髄球性白血病 − 出血傾向
b. 慢性骨髄性白血病 − 胃潰瘍
c. 真性多血症 − 低酸素血症
d. 本態性血小板血症 − 出血傾向
e. 原発性マクログロブリン血症 − 眼底のソーセージ様静脈怒張
(正答)c
問29. POEMS症候群の5徴に含まれない所見はどれか。1つ選べ。
a. 筋委縮
b. 肝脾腫などの臓器腫大
c. 耐糖能低下・無月経などの内分泌異常
d. M蛋白血症
e. 色素沈着・剛毛などの皮膚症状
(正答)a
問30. 疾患名と検査所見の組み合わせで誤っているのはどれか。2つ選べ。
a. 急性単球性白血病 − 非特異的エステラーゼ染色陽性の芽球を認める
b. 急性リンパ性白血病 − 一部の芽球にAuer bodyを認める
c. 慢性骨髄性白血病急性転化 − NAP scoreが低値である
d. 骨髄線維症 − 末梢血塗沫標本でtear drop cellsを認める
e. 多発性骨髄腫 − 頭蓋骨の単純X線写真でpunched-out lesionを認める
(正答)b, c
問31. 疾患名と治療法・治療薬の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. 急性前骨髄球性白血病 — レチノイン酸(ATRA)
b. フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 − メシル酸イマチニブ
c. 真性多血症 − 瀉血
d. 血栓症状を伴う本態性血小板血症 − 低用量アスピリン
e. 無症候性多発性骨髄腫 − MP(メルファラン+プレドニゾロン)療法
(正答)e
問32. 造血器腫瘍の治療に用いられる抗がん剤とその代表的な副作用の組み合わせで誤っているのはどれか。
(1) イダルビシン − 心機能障害
(2) シクロホスファミド − 出血性膀胱炎
(3) ビンクリスチン − 中枢神経障害
(4) レナリドミド − 動脈血栓症
(5) ボルテゾミブ − 肺障害
a. (1) (2) b. (2) (3) c. (3) (4) d. (4) (5) e. (1) (5)
(正答)c
問33. ペルオキシダーゼ染色が通常陰性と判定される急性骨髄性白血病はどれか。3つ選べ。
a. 最未分化型急性骨髄性白血病(M0)
b. 急性前骨髄球性白血病(M3)
c. 急性骨髄単球性白血病(M4)
d. 急性単球性白血病(M5a)
e. 急性巨核球性白血病(M7)
(正答)a, d, e
問34. 慢性骨髄性白血病に関して誤っているのはどれか。2つ選べ
a. 自覚症状がなく健康診断等で偶然発見されることが多い。
b. 末梢血の白血球分類では好塩基球の増加を認める。
c. 通常、t(9;22)の染色体異常を伴う。
d. 通常、JAK2遺伝子変異を伴う。
e. 骨髄中の骨髄芽球が5%以上に増加した場合は急性転化とみなす。
(正答)d, e
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 医師国家試験・専門医試験対策