金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年08月09日

血友病A:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)問題の紹介と解説を続けます。

 

血友病Aの治療に用いられるのはどれか.

a 第V因子
b 第VII因子   
c 第VIII因子
d 第IX因子
e 第XIII因子

 

(概説)

血友病
A&Bは、伴性劣性遺伝の先天性出血性素因です。

血友病Aは第VIII因子、血友病Bは第IX因子の欠損です。関節内出血、筋肉内出血などの深部出血が特徴です。

血友病A&BともにAPTTは延長しますが、PT出血時間は正常です。

止血治療は、血友病Aは第VIII因子濃縮製剤、血友病Bは第IX因子濃縮製剤を用います。

ただし、特に血友病Aでは治療に伴い第VIII因子インヒビター(同種抗体)を生じることがあります(参考:クロスミキシング試験後天性血友病)。



(項目別)

×:a、b、d、e
○c 正しいです。血友病Aは、第VIII因子の先天性欠損です。



(正答)  c


(補足)

先天性出血性疾患の代表と言えば、血友病とならんで、von Willebrand病をあげることができます。

von Willebrand病は、多くの点で血友病と対照的です。遺伝形式は常染色体優性遺伝です。

von Willebrand因子(vWF)が低下していますが、vWFは第VIII因子のキャリア蛋白でもあるため第VIII因子活性も低下します。

APTT
出血時間は延長しますが、PTは正常です。粘膜出血(鼻出血など)が特徴的です。

止血治療は、vWFも含有した血漿由来第VIII因子濃縮製剤(コンファクトF)またはDDAVP(国試既出)を使用します(参考:止血剤の種類と疾患)。


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13| 医師国家試験・専門医試験対策