金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年08月12日

紫斑&血小板数減少:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)問題の紹介と解説を続けます。

 
27歳の男性.

上肢に紫斑を生じたため来院した.1週間前に風邪を引いたという.

血液所見:赤血球410万,Hb 11.7%,Ht 38%,白血球7,000,血小板1.4万,PT 11.2秒(基準11〜13),APTT 30.5秒(基準25〜40)

考えられる疾患は何か.

a 急性白血病
b 再生不良性貧血
c 溶血性貧血
d 発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)
e 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
f 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
g 
播種性血管内凝固症候群(DIC)
h 血小板無力症
i 血友病
j ビタミンK 欠乏症

(概説)

ウイルス感染症を契機に上肢の紫斑をきたしています。

血小板数が著減しているのが際立った所見です。
PTAPTTが正常である点も注目したいと思います。
軽度の貧血がみられますが、白血球数は正常です。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が最も考えやすいです。


(正答)  e


(補足)

特発性血小板減少性紫斑病
(idiopathic thrombocytopenic purpura:ITP)


最近は「免疫性血小板減少症」と称することも多いです。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40| 医師国家試験・専門医試験対策