金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年08月23日

DICの病態:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)(再現問題)の紹介と解説です。

 

DICの起こる機序を示す。血小板が入るのはどれか。

DIC病態2



(解説)

・    DICには必ず基礎疾患が存在します。敗血症、急性白血病、固形癌は、三大基礎疾患として知られています。

・    DICの本態は、全身性&持続性の著しい凝固活性化です。(1)は、凝固の活性化です。

・    著しい凝固活性化の結果、微小血栓が多発して、重要臓器において微小循環障害をきたすために、臓器障害をきたします。(2)は、微小血栓の多発です。

・    多発した微小血栓を溶解するために、線溶が活性化されます。(3)は線溶の活性化です。(5)は、血栓の溶解です。

・    微小血栓が多発するために、血小板(および凝固因子)が血栓の材料として消費されます(消費性凝固障害)。(4)は、血小板(および凝固因子)の消費亢進です。

・    DICにおける出血の原因は、消費性凝固障害のみならず、過剰な線溶活性化による止血血栓の溶解です。



(補足)

DICの病態

1.    基礎疾患の存在

2.    全身性&持続性の血管内における極端な凝固活性化状態
→微小血栓の多発

3.    二次線溶:ただし,その程度は症例により様々。線溶は、生じた血栓を溶解しようとする働きです。生体の防御反応の側面もありますが、過剰な線溶活性化は、出血症状の原因となります。

4.    消費性凝固障害(consumption coagulopathy):血小板や凝固因子の低下。

5.    出血症状、臓器症状 (DICの2大症状)。

 

(正答)



<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集
 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55| 医師国家試験・専門医試験対策