金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年08月24日

出血、PT、APTT:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)(再現問題)の紹介と解説です。


36歳の男性。

抜歯を行ったが、治癒が遅延しており、また、出血が止まりにくいという。

検査の結果、出血時間、PT、APTT、線溶系はすべて正常だった。

異常があるのはどれか?

A.    PAI-1
B.    血小板粘着能
C.    第II因子
D.    第V因子
E.    第IX因子
F.    第X因子
G.    第XI因子
H.    第XIII因子


(解説)

PTAPTTが正常であるため、第VII、XII、XI、IX、VIII、X、V、II因子は正常です。

出血時間が正常であるため、血小板数、血小板機能にも異常はありません。

線溶系にも異常がないと書かれているので、先天性α2プラスミンインヒビター(α2PI)欠損症でもなありません(参考:PIC)。

なお、線溶阻止因子であるPAI-1(プラスミノゲンアクチベータインヒビター-1)の高値は、血栓傾向となります(参考:線溶関連マーカー)。

先天性第XIII因子欠損症では、創傷治癒不全、出血傾向をきたしますが、出血時間、PT、APTT、線溶系はすべて正常です。出血のみならず、「治癒が遅延」もキーワードになっています。


(正答)

H

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 医師国家試験・専門医試験対策