2012年08月25日
鼻出血、APTT:CBT(コアカリ)
CBT(コアカリ)(再現問題)の紹介と解説です。
6歳の男児。鼻出血が止まらないため、母親に連れられて来院した。
検査の結果、出血時間とAPTT延長し、PT正常であった。
原因はどれか。
A. PAI-1
B. 血小板粘着能
C. 第II因子
D. 第V因子
E. 第IX因子
F. 第X因子
G. 第XI因子
H. 第XIII因子
(解説)
6歳の男児の出血ということで、血友病ではないかと思った医学生も多いかもしれませんが違います。
血友病では関節内出血や筋肉内出血が特徴的です。
本症例は、鼻出血という粘膜出血です。
出血時間(血小板数の低下、血小板機能の低下で延長)という血小板関連の検査も延長して、APTTという凝固関連の検査も延長する疾患といえば、von Willebrand病です。
von Willebrand病は、von Willebrand因子(vWF)が低下して出血症状をきたす先天性疾患です。
vWFが欠損しているために血小板粘着が障害され(血小板機能が低下し)、出血時間が延長します。
vWFは第VIII因子のキャリア蛋白でもあります。
vWFがないと第VIII因子が安定して血中に存在できないために、第VIII因子も低下します(血友病Aとは異なり産生はされていますが)。そのためAPTTが延長します。
(正答)
B
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02| 医師国家試験・専門医試験対策