2012年12月15日
先天性出血性素因:妊娠中および分娩後出血
論文紹介です。
「先天性出血性素因を有した女性における妊娠中および分娩後出血」
著者名:Shahbazi S, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 23: 603-607, 2012.
<論文の要旨>
先天性出血性素因は、止血に関与する蛋白の先天性欠損を特徴としています。
女性患者またはキャリアーは、生涯を通して出血のリスクに直面しています。
特に、妊娠中や分娩後は、母体、胎児の両者に対して影響があります。
著者らは、先天性出血性素因を有した妊娠前・中・後期、産褥前・後期の5期の出血状況を検討しました。
患者は、血友病キャリア、von Willebrand病 (VWD)、まれな出血性疾患の3群に分類されました。
健常女性と比較して、患者では全5期において有意に出血は高度でした。
VWDでは、妊娠前期の出血は高頻度でしたが、流産は低率でした。
血友病キャリアでは妊娠中の出血は高頻度でしたが、産褥期の出血も最も高頻度でした。
著者らの検討結果によると、全3群の症例ともに膣出血が最も深刻であり、特に妊娠前期と産褥期に有意でした。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03| 出血性疾患