2012年12月19日
軽症の出血性素因:小児患者の治療
論文紹介です。
「軽症の出血性素因を有した小児患者の一般的治療」
著者名:O’Brien SH.
雑誌名:Semin Thromb Hemost 38: 720-726, 2012.
<論文の要旨>
小児血液専門医にとって、出血性素因のなかではvon Willbrand病(type I)と軽症の血小板機能異常症は最も遭遇しやすいです。
これらの患者に対する止血治療や予防には一定のコンセンサスがある訳ではありません(臨床に役立つ報告や無作為臨床試験はほとんどありません)。
デスモプレシン(DDAVP)や抗線溶薬はこれらの患者でしばしば使用されますが、出血の予防や治療を目的とした場合のこれらの薬剤の至適用量や回数は不明のことがあります。
手術を行う出血性小児患者に対してDDAVPを投与すると、低ナトリウム血栓をきたすことがありますが、過少評価されているようです。
臨床医としては、鼻出血や観血的処置時の出血のように、局所の出血症状に対しても注意を払うべきです。
この総説では小児の出血性素因において、軽症の出血症状(鼻出血、過多月経、抜歯、扁桃腺摘出術)に対する一般的治療法について論じています。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40| 出血性疾患