2012年12月20日
先天性第VII因子欠損症:症状、治療
論文紹介です。
「先天性第VII因子欠損症(当院での経験)」
著者名:Salcioglu Z, et al.
雑誌名: Clin Appl Thromb Hemost 18: 588-593, 2012.
<論文の要旨>
先天性第VII因子欠損症は、稀な先天性凝固因子欠損症のなかでは最も多い疾患です。
参考:先天性凝固因子異常症1、先天性凝固因子異常症2(インデックス)
著者らは自施設で経験した先天性第VII因子欠損症73例の報告を行っています。
内訳は、男性48例と女性25例であり、年齢は2ヶ月〜19才でした。
31症例(42.5%)では無症状でした。
症状のみられた症例のうち、17例では重症であり、8例は中等症、17例は軽症でした。
出血症状は、鼻出血、点状出血、溢血斑、紫斑、口腔内出血などでした。
8症例では遺伝子検査が行われていました。
2002年以降は、8症例の49回の出血イベントに対して遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)が使用されました。
2症例では中枢神経系への出血を繰り返していたため、rFVIIaの予防投与が行われました。
rFVIIaによる治療、予防投与のいずれの場合であってもアレルギー反応や血栓症の有害事象はみられませんでした。また、同種抗体が出現した症例もありませんでした。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:46| 出血性疾患