金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年05月30日

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(6)必要量

新鮮凍結血漿製剤(FFP)(5)凝固因子活性増加より続く。


新鮮凍結血漿製剤(FFP)(6)
必要量

肝硬変など複数の凝固因子が低下している場合は、FFP 1単位輸血後の凝固因子活性増加=300÷体重[kg](%)の計算で良いですが、凝固因子個々の補正が必要な場合は以下の表を目安に計算します。
凝固因子
300÷体重[kg](%)の式は、生体内回収率を100%とした値ですので、生体内回収率をかけて補正します。

止血に必要な濃度と生体内半減期より、投与間隔を決めます。

たとえば50 kg、第V因子活性基礎値10%の患者にFFPを2単位輸血しますと、第V因子(生体内回収率80%)活性は300÷50×2×0.8=10%増え、20%になると予想されます。

半減期15〜36時間から、止血に必要な第V因子活性15%以上を保つには、12時間ごとFFP 2単位の投与が必要となります。

(続く)新鮮凍結血漿製剤(FFP)(7)注意点


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 輸血学