2013年06月21日
von Willebrand病:VWFpp/VWF抗原量比
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター
「VWFpp、VWF/VWDpp比、FVIIIによるvon Willebrand病(type 1)の性格」
著者名:Eilenboom J, et al.
雑誌名:Blood 121: 2336-2339, 2013.
<論文の要旨>
von Willebrand因子(VWF)の翻訳後修飾の過程で、VWFプロぺプチド(VWFpp)が分離されます。
VWDpp/VWF抗原量比やFVIII因子活性/VWF抗原量比は、VWFの合成やクリアランスを評価できる可能性があります。
著者らは、Molecular and Clinical Markers for the Diagnosis and Management of Type1 WFD(MCMDM-1 VWD)studyにおいて、VWFpp、VWFpp/VWF抗原量比、FVIII因子活性/VWF抗原量比の意義を検討しました。
その結果、疾患を有さない血縁者や健常人と比較して、VWD(type1)患者では、VWFpp/VWF抗原量比や第VIII因子活性/VWF抗原量比は上昇していました。
ヘテロのミスセンス突然変異の患者では、ヘテロのヌルアレル患者と比較して、VWFpp/VWF抗原量比が高値でした。
一方、第VIII因子活性/VWF抗原量比は、ヘテロのVWFヌルアレル患者で最も高値でした。
以上、これらの比を評価することでVWFの産生低下やクリアランス亢進を判断できますが、しばしば両機序が同時にみられるものと考えられました。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27| 出血性疾患